家庭の芝はゴルフ場の芝と違い雑草、病害虫対策が手薄になりがちです。そのまま放置しておけば芝数が減少してしまい最終的には全面が雑草になってしまうことが多くあります。
雑草が増加するメカニズムとしては芝地の中に生育した雑草から種子が落ちることで、次の段階の発芽へと進みます。水分と太陽熱の吸収を繰り返しながらその後適温に達した時点で発芽し、放置するとどんどん増え続けることになります。
もっとも効果的な防除方法として、雑草の種が発芽する前に除草剤を全面散布する方法があります。
気象条件や除草剤の種類で多少の効果は違いますが、種の上に除草剤を事前散布することで90%以上の発芽抑制効果が期待できます。
除草剤には二つのタイプがあり、一つは茎葉処理剤で葉などに散布するとすべての雑草はもちろん芝まで枯らしてしまいます。
市販されている商品名としては(ラウンドアップ、バスタ、MCPP)などが一般的に使用されています。
以上の製品は農協、農薬卸売業者、一部のホームセンターで販売されています。
もう一つは芝や雑草に全面散布しても枯れませんが、地面に落ちた雑草の種に除草剤の膜が付着することで、発芽を阻止するタイプです。このタイプの除草剤は発芽前土壌処理剤といい水田、畑、ゴルフ場で使用します。限られた場所のみの使用で価格が高いため、ホームセンターなどでは市販されていません。
農薬代理店が農業、ゴルフ場関係者に販売していますが、一般の方への販売はできないと思われます。農薬と散布賃込みの請け合いにすれば施工してくれるでしょう。
農薬代理店・造園業者などに委託管理させれば最高の芝に仕上げることが可能ですが、薬と散布費を合わせれば高い単価になり、広い面積の場合には高額な費用が必要になります。
個人的な意見としては農薬に頼り、継続使用することは土壌を破壊してしまうと思います。人間に例えても薬漬よりはバランスの取れた食べ物を補給し体力を付けることが大切です。
よりバランスの取れた密度ある芝を作れば芝自身が雑草の侵入を阻止してくれます。
芝作りに興味があり、実際に育ててみたい方にお願いしたいことは、暇があれば芝刈り、手抜きによる雑草処理、最低限の更新作業(硬くなった芝面に穴あけ・芝面を平にし、横方向に芝を増やすために行う全面目土入れ)を是非していただきたいと思います。
今後も芝生について色々な話題があれば掲載いたします。
今回でお庭の芝作りは終了いたします。
by:まえさん
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